2007年03月23日

アランフェス協奏曲: 楽譜・CD情報 (追記)

   
Aranjuez05.jpg


楽譜:オーケストラ版(ミニスコア)/ユーレンブルク版 ETP1809        
   ギターとピアノ/SCHOTT 版 ED-7242


おすすめCD:様々なアーティストが『アランフェス協奏曲』を録音していますが
       私のお薦めをご紹介します。

 ◎ギター+オーケストラ:
   ♪ まず、ギター&オーケストラで聴きたい場合は、ロドリーゴ自身
     折り紙付きのナルシソ・イエペスの演奏で、『ある貴紳のための幻想曲』
     とカップリングされているものがお薦めです。

 ・CD B000I0S8I ユニバーサルクラシック
     ナルシソ・イエペス(G)+フィルハーモニー管弦楽団 他 
 ・CD B0007OE2FI ユニバーサルクラシック 
    ロドリーゴ作品集 2枚組 (上の2曲以外に、他のロゴリーゴ作品も収録。)
    

    ♪ また、この作品を献呈され、1940年11月9日にバルセロナのカタルーニャ
      音楽堂で、バルセロナ・フィルハーモニー管弦楽団をバックに初演した
      レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサの演奏も聴き逃せません。
      レヒーノは「アランフェス協奏曲」を下記2回、録音していますが、始めの
      録音の方がテクニックも冴え、名演。
      SP版の復刻で、録音状態は悪いものの、当時の息づかいが感じら
      れる、味わい深い演奏です。
        
 ・R.サインス・デ・ラ・マーサ(G)独奏
   1:スペイン国立管弦楽団+アタウルフォ・アルヘンタ指揮
        ↓              (コロムビア/1954)
   ・CD:『セゴヴィアとその同時代人たち第9集』
     Andres Segovia and his Contemporaries, Vol. 9   〜セゴヴィア&サインス・デ・ラ・マーサ (輸入版)
     
   2:マヌエル・デ・ファリャ管弦楽団+クリストバル・ハルフテル指揮
           ↓     (RCAビクター/1962/レヒーノ2番目の録音音源 収録)
    CD:ロドリーゴ集 アランフェス協奏曲/ある貴紳のための幻想曲
      

 ◎ギター+ピアノ:この組み合わせでも、是非一度お聴きください。
 
  ・CD「KAMAKURA/鎌倉」AM505:第2楽章収録(手塚健旨&高木洋子)
  ・CD「マリア・エステル・グスマン ギターリサイタル」PLCD-037
     コンサートライブ(2000年)録音版:第2楽章収録(P/高木洋子) 

 ◎ビデオ:「アランフェス協奏曲 マリア・エステル・グスマン +高木洋子(P)」
      CGV1038(1999年)ギターとピアノで、全楽章を収録しています。

       
  ☆ ピアノソロでも弾いてみたいという方には、第2楽章をロドリーゴ自身が
    ピアノ用に編曲した楽譜があります。
    ただ、この編曲では、後半の感動的な部分(ギター+ピアノ版の最後、
    ピアノソロで盛り上がる箇所)がカットされて、静かに終わります。
    個人的には、オーケストラ版の楽譜を参照して、クライマックスの
    部分は組み合わせて演奏した方がいいように思われます。

 楽譜:ピアノソロ (同じくギターソロでも出版されています。)
    〜 Aranjuez , Ma Pensee 〜 
      Tema del adagio del Concierto de Aranjuez
    Para Piano 〜 Version del Autor
     (190115 Editiones Joaquin Rodrigo)


 おまけ♪ さすがは、世界の『アランフェス協奏曲』!
    のだめカンタービレでも使用されていましたね。
    ご覧になられた方は、お気づきになられたでしょうか。
posted by YOKO at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ&ギター

『アランフェス協奏曲 Concierto de Aranjuez 』

  今回は名曲『アランフェス協奏曲』です。
「知られざる名曲を〜」という、ブログタイトルにふさわしくない
ほど有名な作品が続いてしまいますが、まずは、それにこだわらず、
私の好きな作品を主に取り上げて行きたいと思いますので、どうぞ
お付き合い下さい。


20世紀から21世紀初めにかけて、世界で最も聴かれたスペイン
音楽は『アランフェス協奏曲』で、と同時にこの曲の第2楽章
“アダージョ”のメロディは、20世紀以降に創られた音楽の中で
最も魅惑的と評されています。

きっと、この“アダージョ”の美しく哀愁に満ちたメロディは、
誰もが一度は耳にしたことがあるはずです。
言う間でもなく、『アランフェス協奏曲』は、ホアキン・ロドリーゴ
(1901ー1999)が、ギターとオーケストラのために書いた作品です
が、オーケストラのパートをピアノに移しかえて演奏される機会の方
が多いのではないでしょうか。


私はピアノソロとともに、ギターとのアンサンブルをメインに
活動していますが、この『アランフェス協奏曲』から受けた恩恵は
計り知れません。ギターとの合わせとなると、まずこの曲を要望
されることが多いからです。
今までに、日本人をはじめ、海外から来日するギタリストも、
数多く共演しているため、ピアニストでありながら、『アラン
フェス協奏曲』が必然と愛奏曲になったのです。


ギタリストにとっての憧れでもある、この『アランフェス協奏曲』。
ただし、この作品の技術的レベルは、かなり高いものであり、又、
ピアノパートも決して易しくはありません。
どんな楽器でも協奏曲の場合は、オーケストラすべてのパートを
ピアノ譜に編曲した楽譜が普及しているものですが、この曲も然り、
作曲者自身の編曲によって、ギターとピアノのための作品となって
います。ギターは大変デリケートな楽器で、ピアノに比べると
その音量が少ないのが大変であり、バランスには気を遣いますが、
オーケストラとの組み合わせとは又、異なった魅力を引き立てること
ができると私は信じています。


この作品が生まれたきっかけは、ホアキン・ロドリーゴ自身の言葉
によると、1938年の夏のある日、ギタリストのレヒーノ・サインス
・デ・ラ・マーサから「ギター協奏曲を書いてはどうか」と話をもち
かけてきたところから始まります。それから1年後、彼のアドバイスを
受けながら、まず2楽章から取りかかり、その後、3楽章、1楽章の
順に完成させたのです。
その完成に遡ること6年前、ロドリーゴは、ピアニストのビクトリアと
結婚し、新婚旅行で訪れたアランフェスで、彼女は克明にこの地の
美しい情景を、盲目のロドリーゴに分かるよう説明したそうです。
その時に浮かび上がった”アダージョ”のメロディが、このギター
協奏曲に使われたのです。

Aranjuez01.jpg

全編を通して、ゴヤの描いた18世紀の宮廷の様子と当時のマホ
(伊達男)とマハ(伊達女)たちの世界を描いていますが、1楽章は
美しいアランフェス庭園の様子を基盤とし、自然の姿を音にしています。
3楽章は当時の人々への讃歌として、フィナーレの部分に彼らの喜び
溢れる情景が描かれました。そして、この曲のハイライトである
第2楽章は、ロマンスをこめられたメロディの美しさにより、
私たちの心を打ちます。

“アダージョ”の後半のピアノで奏でるクライマックスは、弾いている
私自身も、いつも感動してしまいます。そのあと終曲へと向う、天使
のようなやさしいメロディの部分も私は大好きで、幸福に浸れる瞬間
です。

Aranjuez04.jpg

私はこの曲のイメージを求めて、何度かアランフェスを訪れました。
マドリッドから、列車で1時間弱。赤土が続く、カスティーリャ地方
の荒涼とした景色が、突然、タホ川の恵みを受けての緑豊かな
光景となります。この豊かな環境を気に入り、フェリーペ2世が、
16世紀半ば、ここを王家の保養地として離宮を計画し建築し始
めたのです。増改築を重ねて、18世紀後半、カルロス3世の時代に
完成した王宮も、今では観光スポットとなっています。


そんな歴史ある「アランフェス」をテーマにして、多くの画家や作曲家が、
作品を数多く残していますが、その中でも、ロドリーゴの『アランフェス
協奏曲』がこの町の名を一躍世界へ知らしめた功績は計り知れません。
それを証拠に、この町には「ホアキン・ロドリーゴ通り」という名の道から、
ロドリーゴの銅像はもちろんのこと、その銅像の手前の地面には『アラン
フェス協奏曲』からの”アダージョ”のテーマの音符が路上に刻まれ、永遠に
その栄誉を讃えています。

Aranjuez03.jpg

この町は今でも、ロドリーゴが感じ取ったイメージそのものの佇まいです。
壮麗な王宮に隣接する、美しいフランス式庭園は、散歩に最適な場所。
季節の良い時には、鳥のさえずりと共に、陽光の中、咲き乱れる花々や
噴水をゆったりと楽しむことができます。
是非、スペインへ行くときには、この『アランフェス協奏曲』に思いを馳せて、
この地を訪れてください。その美しいメロディによって彩られた町が、親しく
迎えてくれるとこでしょう。


            

            追記:楽譜・CD情報は、次のタイトルをご覧下さい。
posted by YOKO at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ&ギター